京都研修旅行における「マチアルキ」コンテンツの制作

東京都立三鷹中等教育学校 3年生
教科または分野
特別活動,社会科,総合的な学習の時間

活用したICT機器,環境など
パソコン教室,タブレット端末,Wi-Fi
東京都立三鷹中等教育学校 3年生
教科または分野
特別活動,社会科,総合的な学習の時間

活用したICT機器,環境など
パソコン教室,タブレット端末,Wi-Fi
実践の概要

本校では,京都の研修旅行での学習成果を元に映像コンテンツを制作し,マチアルキを用いて発信した。研修旅行後に映像コンテンツの制作活動を実施することで,旅行後の学習を充実させることができると考えた。映像制作にあたっては,中学生が「学習の中でつくる」という点を重視し,単なる観光ガイドにならないようにした。

本校はタブレット端末の環境整備も進んでおり,ICT を用いた学習活動としても有効であると考えた。

実践のねらいと目的

本校の研修旅行では,社会科と関連付けた事前学習,伝統文化の体験や英語でのインタビューを現地で実施するなど,事前・現地学習の充実に努めてきたが,事後学習では,ポスターや現地で制作した作品を校内で展示するだけに留まり,物足りなさを感じていた。

マチアルキを用いて校外へ情報発信を行うことで,生徒たちは責任ある情報を発信するために,学習内容を精査する必要が生まれ,事後学習の充実につながると考えた。また,学習成果を保護者に伝えたり,下級生に上級生の活動を継承したりすることにもつながると考えた。

マチアルキ活用のメリット

マチアルキで学習成果を発信することは,その成果物が目に見えやすく,多くの人の目にも触れるので,生徒の達成感が高い。

また,ICT 活用というと授業での活用に主眼が置かれがちであるが,マチアルキは,校内行事を含めて学校全体にICT 活用の実践の場を広げられることに大きな魅力を感じている。

本実践終了後,保護者から「家族旅行で京都に訪問してこのコンテンツを見たい」といった声もいただくなど,学校での取り組みを地域や保護者に知ってもらうことができた点にも満足している。

実践の内容
1. 企画・調べ学習

班別の自由行動で訪れる場所の中から,AR コンテンツを制作する場所を検討する。歴史的な背景や関わりの中で説明できる場所かどうかを考えさせた。

2. 台本作成

ARコンテンツの制作にあたっては,あらかじめ台本を作成した。台本には映像の構成だけではなく,どのような場面を撮影する必要があるかについても記入した。

3. 撮影

研修当日,タブレット端末を用いて写真や動画の撮影を行った。撮影者,台本確認者など役割を決めて撮影を行った。

4. 編集

現地で撮影した内容を学校に戻って編集した。音楽や写真の利用許諾など,著作権などの権利やモラルも踏まえて指導を行った。

5. 校内発表・発信

編集した映像コンテンツは,マチアルキで発信する前に校内で発表し,意見交換を行った。その後,調整を加えた上でマチアルキで発信した。

実践の成果や今後に向けて

生徒たちは,自分たちがつくる映像がアプリを通して多くの人に見られることを知ると責任を感じ,主体的に集中して取り組んでいた。本実践終了後には,「社会科見学や文化祭でもコンテンツを作って発信したい」という声も聞かれた。

生徒たちは,日頃からICT 機器に接する機会が多く,総じてICT 技術やリテラシーが高い。そして,それを使って何かを表現したいという意欲も持っている。生徒たちの能力や意欲を発揮する場として,マチアルキは大変有効であるといえる。学校でのICT 活用というと,与えられた情報を見たり,選んだりすることに用いられがちであるが,生徒たちの考えや思いを表現するためにも活用すべきであり,学校はそのための環境整備を進めていく必要があると考えている。